概して、冬の山陰は天気が良くない。ゆえに当方、当初は鳥取宿泊の翌日は鳥取温泉で朝風呂に入って、ゆっくりと山陰本線経由、城崎温泉に向かおうと思ってた。
途中、テツの聖地である餘部を通るが、この真冬の寒い中、餘部で降りても居場所はない。だから下車はせず、車窓から餘部鉄橋越しに日本海を堪能しようとしてた。しかし・・・この日の鳥取は例外的に天気が良く、風も弱い!それならばと、ホテルを早めにチェックアウト、餘部に向かうことに。
この日の朝食はホテルではなく、鳥取駅前市場で食べることにしていた。その理由は以前、ここで食べた朝食が、素晴らしかったから。
当方、この市場に訪ずれるのは3度目。市場には魚屋を中心に何軒かの店と、食堂が入っている。魚屋で旨そうな魚を買い込み、それを食堂に持ち込むと、良い塩梅に調理してくれる。ご飯と味噌汁も加えて、新鮮な山陰の海の幸定食として出してもらえる。これがたまらないんだよな。
この日は当方は朝8時、早朝に市場に訪ずれた。しかし・・・早過ぎ。魚屋さんは開店してるが、食堂はまだ開いていない!大誤算・・・そんな中で当方が、ある魚屋さんでゲットした朝ごはんセットがこれ。まずはベニズワイガニの蟹ミソ。このミソの量といったら・・おそらくは3匹分くらいの蟹ミソを集めたんだと推定されるが・・これがなんと、150円だと!う~む。地元価格。安いって!あとはおにぎりひとつ、こちらは110円。
これには、ほっこりする話が。実は当方、最初は蟹ミソ150円のみを購入。で、魚屋さんの端にちょこんと座らせてもらい、それを食べさせてもらうことにしてた。すると、お店のお兄さん(とはいえ、当方より20歳以上若いが)曰く:
「え?かにみそだけ食べるんですか?やっぱりご飯も欲しいでしょう?僕のおにぎりを1つ、あげますよ…」と。
で当方曰く:「え・・・お兄さん、ほんと?いいのか?ありがとうありがとう。嬉しいな。でもあげますなんて・・・それだと、大赤字だろ?おにぎり、定価で買わせてもらうね。はい、110円…」。
う~む。おにぎりをくれるなんて。このお兄さんの優しい気持ち、嬉しいよな。おそらくは、カニミソだけだとショッぱ過ぎる。しかも朝食がこれだけだと、おなかは膨れない。温かくもなれない。だから・・・そんなふうに感じてくれた上での行動だと思う。些細なことだが、ほっこり。しみじみ。今回の旅の中では、これが一番、嬉しかったな。
味は・・・他の何にも代えられないほど美味しかった。味噌汁があればなお可だなんて、そんなことは言わない。十分満足。このことを、facebookに書いた。するとある大学時代の女性の同級生曰く、「それ、プライスレスの嬉しさよね!」と。そのとおりだよな。
8時50分鳥取発豊岡行き快速、山陰海岸ジオライナー。気動車だが、山陰よくあるベニズワイガニ色のヤツではない。何か…デザイン、東京の京成電鉄車両に似てるな?(笑)
さてさてこれから、これに乗って餘部に向かいます。次回に続く。