おはようございます・・・と、驚いた!!!2021年7月16日の引け後、こんなアナウンスがあったよな。
日本製鉄が海外市場で2本建てCB、計3000億円-設備投資などに
この話を受けて、翌17日の日本製鉄の株価は2,153円、136.5円安。率にして5.96%の下落だった。
俺はな。今回の日本製鉄の行動に強い違和感を持った。だって最高益なんだろ?なのにそのタイミングでエクイティ・ファイナンスとは、どういうことだ?
こんなに株価を下落させて・・同じ景気敏感株でも、やはり最高益の日本郵船・商船三井は、増配で株主に報おうとしているのに・・・行動が真逆じゃないのか?
あまりに違和感あったので、俺は日本製鉄の代表電話にかけてみたよ。IRの責任者出してくれと。そしたらつないでくれた。相手は論理明快な男性の担当者。俺は言ったよ。
「私は日本製鉄の株をそこそこ持っているんだけれども。素朴な疑問だが、最高益を見込んでいるこのタイミングでエクイティファイナンスとは、どういうことですか?」と。
彼は言った。中期経営計画でも既に公表済みだが、日本製鉄はここ3年から5年、大規模な設備投資を行う必要がある。脱炭素を含めやる事がたくさんあり費用もかかる。
一方で、現在のエクイティファイナンス市場では、とても有利な条件で資金調達できる。このタイミングを逃すべきではない。そう考え今回のエクイティファイナンス、CB発行に踏み込んだと。
え?…日本製鉄は、最高益で手元キャッシュが豊富なはずなのに、それでもファイナンスが必要?どんな基準で中期経営計画を作ってるんだ?・・・俺はさらに尋ねたよ。
「そのロジックはわからなくはないが、結果として、今日の株価は暴落している。そのとばっちりを我々投資家は受けているわけだが。その辺りはどう考えますか」と。そしたら彼曰く。
ご指摘の通り、今日、株価が暴落しているのは理解しています。ただし今回、良い条件で資金調達でき、思ったように設備投資ができれば。今後は長期的に株価が上昇することで、おのずと結果が出てくるんじゃないでしょうか、だと。
なんだ・・想定質問の回答に沿った対応か。他人事に聞こえたけどな。俺はさらに尋ねた。
しかし・・・「私もそうですが、日本製鉄が史上最高益というから、お宅の株に投資している投資家も多い。そんな中、最高益なのにエクイティファイナンスという、きわめて異例のアクションは・・・投資家にしわ寄せが全部行っているわけですが、どうなんでしょうねえ」と。すると彼曰く。
それは先ほど申し上げたとおり、長期的に株価が上昇することで、おのずと結果が出てくると考えています。
なるほどな・・・以下は電話で話をしての印象。
この会社は相変わらず、株主のほうを向いていない。株主利益は二の次、まずは会社の利益優先だ。まあそれは今に始まったことではない。以前からそうだから、今更驚くには値しないけどな。あと今回感じたこと。ここは名門企業のはずだが、今は余裕がないな。そんな残念な印象を持った。
あと、この会社の行動が同業他社を刺激するかもな。「え?そういうの、ありですか?」と。となると、JFEあたりも要注意かもな。
ここからは俺の一方的な妄想だが。このファイナンスは日本製鉄が考え出したのではなく、証券会社の入れ知恵なんじゃないのか?実はこういうの、良くある話なんだよな。ファイナンスのフィーはいまでも4%?それは知らないが、いずれにしろ証券会社にとって、おいしい話だしな。
う~む、なんだかな・・・一瞬だが、日本郵船にも電話したくなったが。もちろんそれはしなかった。こちらは誇り高い企業のはずだし。そもそも、こんなかたちで俺がIRに電話するのは、本意ではない。今回が初めてだしな。
そんなところ。取り留めがないな。この辺で。