浜口です。
秋の青森へ旅に②五能線を車で巡る。千畳敷(せんじょうじき)駅と轟木(とどろき)駅を訪れるの続きを。今回のこのドライブコースの判断、想定外の展開になったという話。2020年11月の旅ですね。
轟木駅を後に、車を南下させる。赤いマークの十二湖駅の手前に白い道がある。これは白神山地の中を走り、弘前に向かう県道28号。
眺めが良さそうなこの道を行こう。白神山地の紅葉が望めるかな。この道こそが、白神山地を突っ切るんだろうなぁと、期待が高まった。
ここに来る途中、国道101号線のコンビニで尋ねてみた。県道28号って快適にドライブできますよね?と。
コンビニの女性曰く。「いいアイディアだと思いますよ。この道は白神ラインという別名がついている位ですからね」と。
そうか。彼女の言う通りかもしれないが、実は少し引っかかる部分も。何日か前に、私が十二湖の観光案内所に電話して、この道について尋ねてみたら。案内所の方曰く。
「あんまりオススメできないかも。私は詳しくはないけれども、たまにそういうニュアンスの話が聞こえてきます」と。実際はどうなんだろうか。
101号を南下し、白神ラインたる県道28号に向かう曲がり角まで来た。ここを左折すれば、快適な白神山地ドライブが始まるのかもしれないが・・・大型車通行不能と赤字で書いてあるな。
交差点に駐在所がある。お巡りさんに再確認してみようかな。そう思った。そうしたら驚愕の事実が。以下、対話形式で。
浜口:これから白神ラインを通り弘前に向かおうと思います。風光明媚でしょうしね。でもこの道については、賛否両論あるようなんですが、実際、どうなんでしょうか?
警官:この道はやめたほうがいいですね。
浜口:え・・・なんででしょう?白神ラインとの名前がある位だから、快適だと思うんですが・・・
警官:なるほど。この別称が罪だなぁ。率直に申し上げますね。この道では快適なドライブはできない。道の半分は狭い砂利道だから。だからどうかなぁ。弘前までの平均時速は30キロも出ないだろうから、3時間以上かかる。加えてこの道は、土砂崩れが起きて閉鎖になることも多い悪路。安全な道ではないんです。
白神山地の中を走るというのは、確かにその通り。でもそこには、電話の電波が通ってない箇所も結構多い。この前そこでパンクした車がありましてね。運転していた方は大変な苦労していましたよ。連絡を取ることがどうにも出来ない。そういう方を救助するのも、私たちの仕事でしてね。
コンビニの女性がこの道は快適と言っていた?その方はおそらく、この道の途中までしか行ったことがないのでしょう。私は仕事柄この道を全て通ったことがあるが、とにかくドライブに向いていない。行くのはやめたほうがいい。今まで来た101号線を折り返す一択です。
浜口:そうなんですね。お巡りさんに確認してよかった。命拾いさせてもらいました。そうお伝えしたら、仕事ですからと。よかった。
今までのルートを折り返す。また轟木駅を通る。もう一度立ち寄ってみようかな。すると驚いた。3分後に深浦行きの気動車鈍行が来るらしい。それを待っている青年もいるな。よっしゃ!五能線の気動車鈍行と轟木駅でご対面だ!期待が高まる。
轟木駅を再訪。またも期待が高まる。
この列車が来る。
来た!驫木14時45分発深浦行きの気動車鈍行。やはり駅には、テツが来ないとな。二両編成だが、乗客はほとんどいない。これに乗って行きたいが・・・今回は叶わない。
気動車が出ていった。姿がいいな。さよなら気動車、そしてさよなら青年。良い旅をな、お互い・・・
戻ってきたために、テツに出会えた。こういう状況を災い転じて福となすと言うべきか。もしくは人生万事塞翁が馬というべきか。う~む。こういうことがあるもんだ。人生悪くないな・・・
さてさて、ここから今日の宿を目指す。かなり距離があるんで、がんばって運転しないとな。
次号に続きます。