ホテルの露天温泉岩風呂 「黒潮の湯」におもむく。ほっこりと温まる。良いな。泉質はカルシウム・ナトリウム-塩化物温泉と。確かにこの温泉、塩分が濃い。それもまた、海のそばの温泉らしくて良いが・・・と、ここからも橋杭岩が見えるんだな。
再掲。1949年に発行された第一次、吉野熊野国立公園の記念切手の橋杭岩。1949年は戦後まだ4年しか経っていない。まだまだ大変な時代だったろうが、一方でこんな立派な切手を発行する余裕が出つつあったんだな。戦後の政治経済の勃興期。総理大臣は吉田茂。マッカーサーがまだいたな。
ホテルの夕餉。日本料理「熊野灘」にて、会席料理を。前菜に続いては魚が。手前がお造り。向こうはブリのしゃぶしゃぶ。ブリは生で食べてもおいしいので、しゃぶしゃぶと生、両方で味わってくださいと。で食べてみたら、お造りのほうがブリの脂がリアルに感じられ、美味しであることが判明。分厚く切られたブリ、メロンの風味さえイメージさせる。何ともなめらかな甘みを伴った濃厚な旨味というべきか。たまらなかったな。
ここの料理は、素材の味を活かしたシンプルなものが多かった。その点では京懐石などとは一線を画す。でもそれでいいんだと思う。串本という海の幸素材に恵まれたお土地柄。それを活かした料理が続いた。当方は幸せな気持ちになれたけどな。
このホテルは、部屋こそ改装されていて気持ち良いが。ホテル全体は少し老朽化しているのがたまにキズ。ただホテルの立地が抜群に素晴らしく、ネガティブな点を補って余りある。天気さえ良ければ、とても良い気分にさせてもらえる。特に冬の時期は、南国気分が得られる。これは他の何にも代えられない素敵なことだとな思った。
東京からも大阪からも名古屋からも、串本は遠い。でもその不便さに反比例するが如く、楽しい南国気分にさせてくれるものがあり、来てみる価値は十分ある。ただし繰り返すが大前提として、天気が良い状況が必要。晴れでなければ、来る価値はない。それどころか南紀白浜空港は、天候不順による欠航が多いことで、日本でも指折り。それを避けるためには。やはり冬の晴れた時期に訪れるということか。夏は天候が悪いこともあるし、なにより暑い。旅の地の串本の旬は冬。今回の訪問で、また前回の訪問の印象を思い出し、それを確信した次第。冬の晴れた日に来て良かった・・・人生悪くないな。
次回に続きます。