浜口です。
繰り返すが、現状がバブルで崩壊の理由がバリュエーションが既に高いということだけなら。それをもって「今がバブル崩壊のタイミング」と決めつけつけるのは、ロジックとして弱いと思う。その考えでは相場は張れない。
「2011年はいつバブルが弾けても不思議ではない」と言うが、バブルが弾けるのは2021年でも2022年でも2023年でもあるいはそれ以降でも、全然不思議ではない。バブル崩壊に日柄分析は通用しない。バブルはきっかけがあって崩壊するものであり、何がきっかけになるのかは常に事前にはわからず、終わってみて初めて分かる。そういうもんなんだよな。
よく覚えている。日本株の1990年以降のバブル崩壊は、1989年にその兆候が既に出ていた。この年に日銀は公定歩合を3回上げていたから、金融引き締め政策に転換したことは明白だった。これを受け当時私が所属してた組織は、持っている株式の一部を日経平均先物を売りヘッジしていたが相場は下がらず、SQで自動決済され、先物売り建ては損勘定で終わった。
当時の市場は、「日銀の公定歩合上げを景気加速の証、まだまだ相場は上がる」との空気に満ち満ちていた。これが現実だった。
1990年は株式売買初日からバブル崩壊が始まるが、そのきっかけは、ソロモンブラザーズ初め、数社の外資系証券の日経平均先物の売り仕掛け、それに伴う裁定解消売りだった。
こういうことだったんだよな。当時の状況は…と、さてさて。
私はこれまで書いている通り、今回の相場はバリュー株とIT中心のグロース株の循環物色を当面想定しているが、もしも森永さんの言う通りバブル崩壊になったなら、2000年のITバブル崩壊が参考になると思う。
当時はそれまで大きく上がっていたIT関連銘柄はことごと暴落し、一方でその対極に位置している銘柄。要はオールドエコノミーのバリュー銘柄が上昇を開始した。
この状況が再現されるのであれば。私がこれまでこのブログでしばしば言及している景気敏感バリュー銘柄に投資していれば、仮にIT株の暴落で市場全体が混乱するにしてもそれは期間限定。逆に時間の問題でこれらバリュー銘柄に資金が回り、上昇が加速するのではないか。そう考えるけどな。
したがって現在の私の投資戦略も変わらない。そもそも、テスラやGAFAMの暴落も、あったとしてもまだ先だと思っているから。IT関連銘柄がお好きな向きは、これら銘柄で一儲けした後で、バブル崩壊の心配をすれば良いと思うな。
但し2000年のITバブル崩壊がそうだったが、バブル崩壊が始まったら、ストップ安ストップ安ストップ安で、崩壊銘柄は成り行きで売っても売れない日が続くかもしれない。このことは頭の片隅に入れておいて欲しい。この点は:
1999年ITバブルの話①光通信。ITバブルで1年で20倍に上昇後、20日連続ストップ安で解説しているので、参考にしてほしいな。
そう考えるとやはりここからは。景気敏感バリュー銘柄に投資する一方、いつかやってくるかもしれないバブル崩壊遭遇を避ける。そんな投資戦略が基本かなと思うけどな。