浜口です。
以下は何日か前、私がさるメディアに向けた寄稿文のごく一部。現在の相場に対する考え方を書いてるので、参考にしてほしいな。
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浜口です。私は新型コロナ禍(以下、「新コロ」と略します)で暴落した株式市場について、かねてからどこかで底打ち、上昇に転じていくとしていましたが、実際、そんな動きになりつつあります。加えて11月は、それまでのグロース株一辺倒の相場に転機が訪れ、バリュー株相場との綱引き。足下では二進一退でバリュー株優位の動きですが、今後もこの傾向は続くと思われ、相対的にはバリュー株に投資妙味が大きい上昇相場になると思います。これが今回の結論です。以下、考えていきます。
- 現在の株式市場はバブルなのか?
まだバブルではない。これからバブルに展開するかもなと考えます。特に現在のバリュー株の多くは、新コロにより売り込まれた相場の戻り過程。上昇相場は来年前半まで継続すると考えます。「儲けやすい相場になってきたな」という印象です。この相場はワクチン相場と言われますが、要は「新コロ相場」なんですよね。
現在の日本株の相場は、1985年以降の日本株の大相場、そして1998年以降の日米株の大相場と酷似しています。ファンダメンタルズもです。この状況に近いことが再現されているのが現状です。
前者はプラザ合意以降の円高不況の対応策として、日銀が大規模な金融緩和を実施しカネ余りが発生。その資金が市場に流れ込み、1989年末にかけバブル相場へ発展、その後崩壊しました。日銀は景気回復が鮮明化した1987年中頃に金融引き締めをすべきだったが、アメリカでブラックマンデーが発生。当時前代未聞の状況で日銀の金融引き締めを逡巡し、その結果バブルが発生した。日銀は遅れながらも1989年に公定歩合を3回引き上げ、加えて1990年(平成2年)3月に、当時の大蔵省が金融機関に対して行った不動産の総量規制により、バブルは崩壊した。
後者は1997年にアジア通貨危機、翌1998年にロシア通貨危機が起こり、対応策として、米国が「保険的に」大規模な金融緩和を実施しカネ余りが発生。その資金が市場に流れ込み、2000年3月にかけITかけバブル相場へ発展、その後崩壊した。この時はいわゆる「2000年問題」が起こらなかったのがバブル崩壊の原因とされるが、FRBが1999年6月から金融を引き締めた影響が大きい。以上の一連の影響を、日本株相場も同様に大きく受けた。
この2回のケースとも、①日本の円高不況・世界の通貨危機がきっかけとなり②対して中央銀行の大規模金融緩和でカネ余りそしてバブルが発生、③結局は遅れて金融引き締めが行われ、バブルが崩壊。そんな過程をたどっています。今回の「新コロ相場」も同じような推移になると、筆者は考えます。
過去2度の歴史を踏まえ、現状と今後の見通しは、以下を考えます。
新コロ対応策として、日米欧が前代未聞の大規模な金融緩和を実施し大きなカネ余りが発生。その資金が市場に流れ込み、今年の2月以降大きな相場へ発展。今後はこれに財政投資も加わる予定。当面は上昇相場が継続するも、どこかでワクチンが幅広く普及、経済は回復軌道に乗り、長期金利が上昇が先行しFRBも後追いで金融引き締めを行い、バブルは崩壊へ。
ポイントは「どこで経済が回復軌道に乗り金利上昇・金融引き締めが起こるのか?」です。これは皆さんの相場観に委ねたいところですが、筆者はそれは、新コロの悪影響が相当程度峠を越えたと判断された時点になると考えます。それはすぐではない。時間がかかる。従い、少なくとも来年前半頃までは金利上昇・金融引き締めの伴う可能性は低く、相場上昇が続くと考えます。
以上から現状は 比較的わかりやすい上昇相場と考えます。問題はこれまでグロース銘柄が相場を主導してきたが、これがバリュー株相場に変わるのか。循環物色に変わってきた。それが鮮明化してきたのが11月と考えます。
これまで新コロで買われてきたITや巣ごもり関連のグロース株はひとまず、行き着くところまで行った。一方でワクチン開発に伴う経済の正常化期待から、11月はそれまでのグロース株一辺倒だった相場に転機が訪れた。足下では二進一退でバリュー株優位の動きに。今後もこの傾向は続くと思いますが、相対的にはバリュー株に投資妙味が大きい上昇相場になると考えます。冒頭でも書いている通りです。但しグロース株が天井を打ったとは思っておらず、当面はグロース株とバリュー株の循環物色と考えます。その中で、バリュー株のほうが取りやすいと、筆者は考えるわけです。
とにかく、この相場に乗っからないのはもったいない。少なくとも、現在のバリュー株はバブルではない。マーケット全体としては、現在は上昇相場。ここからバブルが始まるのかな?どうかな?・・・そんな理解で良いと思います。