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浜口です。

北東北の旅も今日で4泊目へ。北東北に旅へ⑤八戸のいちご煮と八戸線・三陸鉄道の車窓の続きを。2015年10月の話ですね・・・と書きたいところだが。

現在こそ無事復活しているが、これから訪れる岩手は三陸・宮古の浄土ヶ浜旅館は、さきの東日本大震災で大きな被害を受けてしまった。私はこの宿とは、この地震の前からご縁があるんですね。このあたりを先に説明しておいたほうが良さそう。いうことで一旦、時計の針を巻き戻させてもらいます。

今回以降何回かは「番外編」として、震災前に浄土ヶ浜旅館に訪れたときの話をさせていただき、その後で「北東北へ旅へ」の続編につなげたいと思います。

まずは2011年1月、東日本大震災の2か月前にこの宿を初めて訪れたときの話を。う~む。もう9年以上前になるんだな。

浜口です。岩手は宮古に出張の折、浄土ヶ浜旅館に泊まった。とても良かったな。

この宿は小さい。部屋数は5室しかない。今回のお代は、2食込みで8900円也、高級旅館ではない。しかしここが、「楽天アワード2010東北エリア・お客様アンケート大賞」をもらっているというのだ。たしかにクチコミ評価を見ると、総合評価が5点満点4.85と、異例の高さである。
なぜそんなに評価が高いのか?この疑問は到着してまもなく、氷解した。写真を。

P1010333.JPG

宿のシンボル、若女将。HPにも写真が掲載されているが、明るく、気の利く、よく働く、素敵な女性である。飾り気のない美しさと、フレンドリーなハート。宿泊者はまずは、この人の魅力に参ってしまうのである。
当方、部屋でお茶を入れてもらいながら、この若女将と下記の会話を。

若女将:「小さな旅館ですが、どうかごゆっくり(笑)。」
浜口:「この旅館は楽天アワードをもらっているが、やはり『若女将さん効果』なんでしょうね?」
若女将:「いえいえ(笑)。今は小さな旅館ですが、将来はフランスに旅館を出したい。夢は大きいですよ!」
浜口:「宮古の次、いきなりフランス?それは目標を高くセットしたなあ。でもなんで?」
若女将:「この宿、これでも実は、フランス人の宿泊が結構多いんですよ。それがきっかけです。ご当地でも喜ばれるんじゃないかと。フランス語は全然しゃべれないんですが、まあ、目標は高いほうが面白いかなと」
浜口:「なるほど。でも、総部屋数5室のこの旅館をフランス人が目ざとく見つけ、予約を入れるわけですか?」
若女将:「日本でフランスを得意としている旅行代理店が、この旅館を現地で紹介してくれているらしいんですね」
浜口:「そうなんだ。クチコミ効果だな。で、フランスにも、旅館スタイルで出て行きたいと?」
若女将:「もちろんです。旅館の「おもてなし」を、フランスでもと思ってます。まあ、あくまでこれは夢ですから(笑)。で、今日はこの後、お風呂、お食事、どちらを先に?」
浜口:「そうだなあ。その前にコンビニに行って、風呂・食事としたいんだが。で、このあたりにコンビにはありますかねえ?」
若女将:「ありますが、歩くと10分以上かかります。すぐ車を出しますんで、外で待っててもらえますか?」

車を出すとは???コンビニに行くのに、車で送迎してくれるのか??確かに2月の岩手、外は相当に寒いが。。。
当方、「コンビニにはビールを買いに行く。その分旅館にお金が落ちなくなるのに、それに送迎をつけるなんて、泥棒に追い銭ではないのか?これで良いのか?」と、ひたすら恐縮する次第。

さて
帰ってきたら、お風呂が沸いてる。一見、何の変哲もない家庭風呂だが、浴槽はかなり深め。お湯は溢れんばかりにたっぷり入れてくれており、掃除は完璧に行き届いている。これだけきれいにしていると、当方もきちんと使わなければ申し訳ないと、自然と背筋が伸びる。
風呂上がりには水を一杯飲めるよう、金属のポットが置いてある。よく磨かれている。嬉しいことにそのポットの回りには、小さな水滴がビッシリと。「このポットの水は、とっても良く冷えてますよ!さあ、どうぞ!」との、無言のメッセージ。押し付けがましくない。
随所に感じられる気配り。「おもてなし」の宿。さあこれから、食事が楽しみ。写真を。

P1010341.JPG
文句なし!とにかく、「つくりおき」していないからだろうか、刺身も焼き物も煮物も、味が際立っている。というか、リアルにおいしい。
またも若女将が登場、なにかにつけやってきて、配膳してくれる。そして「いかがですか?」と声を掛けてくれる。
ここは、食事だけで訪れる地元客も多い様子。おいしい証拠だよな。

食事が終わった後の会話:
浜口:「とってもおいしかったです。ご馳走様でした」
若女将:「お粗末さまでした。『おいしかった』といってもらえると、私も安心して、ゆっくり寝ることが出来ます」
浜口:「そうか。夜は、忙しいんでしょう?この食堂は何時までですか?朝は何時ごろ起きるんですか?」
若女将:「食堂が閉まるのは夜9時です。朝は5時ごろから動き出します。でも寝た後、お客様の都合で夜中の午前2時頃でも、起こされることはしょっちゅう。まあ、これも仕事です」
浜口:「そうですか。大変だな」

少人数で切り盛りしているので、若女将は、実に多忙である。よくわかる。
当方、このタイミングで、「食堂が閉まったあと、『バー若女将』は営業しないんですか?」と言い出しかかったが、やめておいた。そう言うとこの人は、無理してつきあってくれるのかもしれない。

が、だとしても、そのご好意に甘えてはいけない。この人を休ませないといけない。この笑顔を疲れさせたくない。当方、そのときは、そんな気持ちになった・・・良い人過ぎたのだろうか(笑)?

部屋に戻ると布団が敷いてあり、枕元には灯りと、金属のポットが。やはりよく磨かれていて、小さな水滴ビッシリだった。

さて翌日。おいしい朝食。大粒のイクラは、それ用のふるいに掛けて選別するのだとか。
帰りの列車は、JR山田線9時30分宮古発盛岡行き、快速「リアス」。若女将は、駅まで送迎してくれた。列車時間に少しに余裕があると分かると、彼女は海側に少し遠回りして、案内をしながら送ってくれた。名残惜しく、感じられた。

さて、この宿の魅力を総括。料理がおいしいのはもちろん、若女将の明るさ、生真面目さを伴ったサービス精神に癒される旅館。
「微差力」と言うのだろうか、彼女は、当方の期待を少しだけ上回る対応を、常にしてくれた。こういうわずかな積み重ねが、この人・この旅館の魅力になっていく。若女将ばかり書いたが、それ以外の女性スタッフもとても上品で、ハートが良い方々。
癒しを求めての一人旅、宿にはきれいな若女将が待ってる。そこでおいしい食事と酒を・・・こんな男性の願望(?)に、限りなく近づける宿。この宿に泊まるという目的だけで、東京から5時間以上かけ、宮古を目指す価値は十分ある。そう感じた。価格見合いで価値のある、本当に貴重な宿。

若女将さん、宮古を訪れた時は、また寄らせて欲しい。この人・この旅館を、当方は応援したい。大げさかもしれないが、快速「リアス」の中で、当方、しみじみそんな気持ちになった。人生、悪くないって。

次回に続きます。

 

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