浜口です。今日は「ヒロシマ」の日ですね。仕事で、夏の広島に行ってたが・・・
う、う~む。世界遺産とはいうが・・・1945年8月6日、8時15分か。
原爆ドームは、何度見ても胸がつまる。なんとも独特のムード。ここだけは周りと空気が違う。とにかく重い。皆、絶句している。外人観光客からは「Ah~」という類の声が聞こえてくる。遠くの蝉の声も沁みる。当方も込み上げる何かを感じる。なぜか、日本人を実感する瞬間だったな。
さて
原爆ドーム散策の後で、昼食。関西風のうな重をいただく。場所は広島の中心街の本通り近くにある割烹、「宝」にて。この小さなお店は魚がおいしい、地元の人気店。当方、広島に行くと必ず昼か夜どちらか、お邪魔するようにしている。
この店の昼メニューは、普段なら天丼・えび天丼・アナゴ天丼・かき揚げ丼、いずれも900円。但しこの日は丑の日だったので、メニューは1300円のうな重だけだった。ここは人気店ゆえ、普通のお昼の時間に行くと、待たずに入るのは難しい。今回は午後一時少し前に行ったが、それでも満員だった。
これは当たり前の話だが、うなぎは焼き上がるのに少し時間がかかる。うな重が出来るのを待っている間、「これ、おいしいね、おいしいね」と、うなぎを食べている女性たちがつぶやいているのが聞こえてくる。これはうな重、期待できそうだな。
来ました、うな重。これは旨かったな・・・それはそれは濃厚な味わい。こってり、ふっくら。箸を入れるとスッと身が切れ、口の中でとろける。たれの甘さも上品。当方おもわず、「これは、旨いわ!」と口に出すと、それを聞いたご主人すかさず曰く、「ありがとうございます。関東の人に旨いと行ってもらえるのが、なにより嬉しいですね」と。そうか。関西風のうなぎが関東人に高く評価されるところに、料理人妙味を感じるということなんだと思う。素晴らしいな。
既に広く知られていることだが、関東と関西ではうなぎの裂き方や焼き方が異なる。「主婦の友社料理食材大事典」によれば、関東式 はうなぎを背開きにして、一尾を二つから三つに切って竹串を打ち、焦げ色をつけて焼いてから蒸し、たれをかけて焼き上げる。関西式はうなぎを頭つきのまま腹開きにし、長いまま金串を 打って素焼きにし、たれをかけて焼き上げる。関西式の焼き方を地焼きといい、蒸して焼く関東式に比べて鰻の脂が残り、とろりと仕上がる・・・とのこと。
「宝」の大将曰く、「蒸していない関西のうなぎも。うまく焼けてるものは、事実上、蒸されてることになるんですよね。うなぎの脂の中での蒸し焼きですから」と。う~む。このうな重がまさにこの、「うまく焼けてるうなぎ」に該当するんだろうな。大将の「焼き」のセンスが光るな。
いつもながらに思うのだが、この店、女性客がとても多い。今回のお昼も、ほとんどがアラサー・アラフォー世代の女性だった。彼女達はおそらく、コスト見合いで味を評価する面々という点では、おそらく一番シビアな層。出されたものが一回でもおいしくなかったら、見向きもしなくなくなる、そんな人たち。そんな世代の支持を得られてるんだから、この「宝」という店、やはり凄いなと思う。