浜口です。
四万十川に沿って走る…予土線の中にあるリンクが切れていましたね。今、直しましたが・・・読んでみると結構これ、味がある内容だな。自分で言ってりゃ世話ないけどな。
浜口です。
今回は、ほのぼのした話。2010年11月、初代ipadが出て間もなく。私は会社から貸与されipadを出張で持ち歩いていたんですが、それが四万十の学童にウケまくったという話。
高知から松山へ移動。時間に余裕があったので敢えて遠回り、四万十川に沿って走る予土線経由で行ってきました。
地図を。まずは高知から窪川までは土讃線で。窪川から宇和島までは予土線で、宇和島から松山までは予讃線で、そんな経路。なぜか鉄道が図に出ておらずわかりづらいが・・・要は四角形の3辺を西回りに経由して高知から松山へ向かう、そんなイメージですね。
窪川にて。宇和島行き鈍行。たった一両のクロスシート気動車キハ32。乗客は始発駅窪川では4名しかいなかったが、四万十川が車窓に登場するあたり、土佐昭和駅から遠足の地元小学5年生が40名ぐらい乗ってきて、一両編成の車内は満員に。終点の宇和島まで一緒のようだ。
小学生の男の子(以下、学童)はどうやら、四万十川で毎日のようにエビや魚を取っているらしい。気動車が四万十川に沿って動いていく中、学童からこんな話が聞こえてきた。
学童A:「(四万十川を車窓に見ながら)見てみい!この場所はオレのエビスポットや!ここで毎日エビを採ってる!」
学童B:「ここは鯉もおりそうやな!」
学童C:「そうやな、ああ、今すぐに釣りしたい」
学童B:「「そうやなあ、この汽車から、今すぐ投げ釣りしたいな!こんな風になあ(と竿を投げるマネ)」
当方たまらず、隣にいたエビ採り名人(?)学童Aくんに尋ねてみた。「エビって、四万十川の手長エビを採ってるワケ?」
「そうです。フライパンで炒めると、おいしいんです。エビが赤くなって、カリカリして。これをいつも、おやつに食べてます」などと話す。恵まれてる!そしてあまりに素朴過ぎで良いな。
なぜか、大人慣れしてる子供が多い様子。「次は何ていう駅ですか?」と,向こうから尋ねてきたりする(予土線全駅名を書くのが宿題の様子)。当方、地理を確認しようと思い、ipadをかばんから取り出した。すると・・・
学童A:「!!!それ、ノートパソコンですか?」
当方:「ipadだよ」
学童A:「ええ!!あ、ipadや!?この人凄い、ipad持っとる!」
学童一同:「えええ!!これがあのipad!?TVで宣伝してるヤツ!?」
「凄い!オレ、任天堂のDS持っとる人は知っとるけん、ipadは初めて!み、見せて下さい!」
と皆が寄ってきました。
ここで気を良くした当方、少し大胆な行動に出る。
まず、学童一同に向け、ipadを高く掲げた。そしておもむろに例の行為、親指と人差し指で画面を拡大するアレを、「どうだ」といわんばかりに挑発的に行う。すると、車内は「ワー!」とも「キャー!」とも判断できない絶叫に包まれ、ほぼ全員総立ち(笑)。同伴の先生は「腰掛けろ、腰掛けろ、汽車が傾く!」と・・・・(笑)
みんな、ipad、およびそれを持っている人を初めて見たんでしょう。
いや~それにしても、当方が学童のヒーローになった瞬間でしたねぇ(笑)。
車内の雰囲気が和み、その後も彼らと話をした。しばらくしてある学童が、つかつかと私のところにやってきた。緊張した面持ちで、「イ、インタビューしていいですか?」なんていうんですよね。かわいいもんだ(笑)。遠足宿題のネタになると思ったのかな?次のようなやり取りが。
学童:「今回、予土線に乗ってどこに行くんですか?」
当方:「ん?松山だよ。」
学童:「松山で何をするんですか?」
当方:「ん?経済の講演会をする。」
学童:「どこから来たんですか?」
当方:「ん?東京だが。」
学童数名:「え!!!高知じゃなくて!東京から来たんですか?東京の人!す、凄げえ!!テレビに出てる人ですか?ニュースですか?」
当方:「ははは。そういうわけじゃないが。」
四万十川で手長エビを採っている学童、幸せモンですよね。でも本人たちは、その幸せに気が付かないんだろうな。だって、それが日常なんだもんな。それが当たり前の世界。
それにしても・・・予土線は美しい線ですよ。別途また詳しく。